雇用調整助成金利用について

会社の稼ぐソフトパワーをレベルアップする雇用調整助成金を活用した教育訓練

雇用調整助成金は景気変動の影響を受け事業活動を縮小せざるをえない状況下において、労働者を退職させずに、教育訓練(リスキリング)を中心に休業、出向を通じて雇用を維持しようとする取組に対して支給されます。

雇用調整助成金は人財というソフトパワーを向上して会社の稼ぐ力を改善する機会です。
新しい技術・技能を習得できる事業所へ出向できるのが理想ですが、次善の策は教育訓練です。

休業すれば、通常業務をしながらの教育訓練では実施できない密度の濃い教育訓練が可能です。従業員に対して新たに必要となる技術の付与、レベルアップを図り、労働者の職業能力の更なる向上を実現可能です。

実りある教育訓練とするためには事業計画(経営計画)に添ったスキル目標を立て、それに向けての教育訓練プログラムを検討します。

制度概要 景気変動の影響を受け事業活動を縮小せざるをえない状況下において、労働者を退職させずに、休業、教育訓練、出向を通じて雇用を維持しようとすることへの支援。
支給対象事業主
  1. 「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由」により、「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、その雇用する対象労働者の雇用の維持を図るために、「労使間の協定」に基づき「雇用調整(休業・教育訓練・出向)」を実施する事業主
  2. @雇用保険適用事業主であること、A「受給に必要な書類」を整備し、労働局等に提出し、B保管して労働局等から提出を求められたら速やかに提出すること
  3. 不支給要件に該当しないこと
支給申請窓口 都道府県労働局(雇用調整助成金、産業雇用安定助成金コールセンター)
教育訓練の要件
  1. 労使間の協定(「教育訓練協定書」等)によるものであること
  2. 事業主が自ら指定した対象期間内(1年間)に行われること
  3. 判定基礎期間における対象労働者に係る休業又は教育訓練の実施日の延日数が、対象労働者に係る所定労働延日数の1/20以上となるものであること
  4. 職業に関連する知識、技術を習得させ、または向上させることを目的とする教育、訓練、講習等であること
  5. 所定労働日の所定労働時間内において実施されるものであること
  6. 事業所内訓練か事業所外訓練で、3時間以上で所定労働時間未満にわたり行われること
助成率
  • 1/2〜2/3 (中小企業)
  • 教育訓練加算額  1,200円/人・日〜1,800円/人・日 (中小企業)
成功のポイント

雇用調整助成金の申請外ですが、教育訓練を成功させるポイントを列挙します。

  1. 事業計画(経営計画)に合致した教育訓練プログラムであること。(事業計画を教育訓練を含めるよう修正する)
  2. 教育訓練用の様式第1号(1)「雇用調整助成金休業等実施計画(変更)届」と様式第1号(3)「教育訓練計画一覧表」よりも緻密な訓練計画を策定する。訓練受講者と面談し一人ずつスキルアップ目標を立てる。
  3. 適宜、出勤扱いで教育訓練のフォローをかねてグループミーティングを実施する。教育訓練を業務に生かすアイデアを自由討論する。
備考

雇用調整助成金を受けられるからといって教育訓練を外部事業者に丸投げすることは二つのリスクがあります。

  1. 提案された教育訓練が雇用調整助成金の助成対象とならなず、助成金が受けられなかったり、返還を求められたりして、最悪罰則を課されるリスク。
  2. 教育訓練の成果が自社のソフトパワーの向上に結び付かない、受講した社員のモチベーションを下げてしまったなど時間と費用が無駄になるリスク。
参考情報 このページは、ブログ「仕事と縁起と清福と」の記事を再編集したものです。